「なんとなく不調」は体質のサイン?検査技師が教える “薬膳はじめの一歩”

朝の目覚めが重い。
午後になると集中力がガクッと落ちる。
冬でもないのに足先が冷たい。
「でも病院へ行くほどじゃないし、みんな同じでしょ?」
そうやって放置している“なんとなく不調”――実は体質からの SOS サインかもしれません。
もしかして、こんな毎日になっていませんか?
- 朝、アラームを3回スヌーズしても まだまぶたが重い
- 午後3時。コーヒーを飲んでも集中力が3分しかもたない
- エアコンの効いた部屋にいると、足先だけ氷のように冷える
- 帰宅して鏡をのぞくと、クマとくすみで顔色がワントーン暗い
病院に行っても改善しない。検査をしても「異常なし」。
けれど、体は毎日しんどい――。
そんな“原因不明の不調”に、心あたりはありませんか?
冷え、疲れ、だるさ、むくみ、眠りの浅さ。
どれも「気のせい」や「加齢のせい」と片づけられがちですが、
それは体質が乱れているサインかもしれません。
体質とは、生まれ持った体の傾向に、日々の生活や食事、ストレスが積み重なって変化するもの。
つまり、今のあなたの不調は、“体質を見直すこと”で確実に変えていけるのです。
体質改善を促す漢方・薬膳
病院では「異常なし」と言われる不調の多くは、
五行(木・火・土・金・水)のバランスが崩れて起こると東洋医学は考えます。
たとえば――

- **木(肝)**が弱るとイライラ・肩こり
- **水(腎)**が不足すると冷え・むくみ
- **土(脾)**が低下すると胃もたれ・疲労感
体質を整える3つのステップ
- 足りない要素を“補う”
- 木不足→香りのよい「セロリ・しそ」
- 水不足→黒豆・黒ごま・昆布
- 滞った要素を“巡らせる”
- 金滞り(呼吸器の重さ)→白きくらげ・梨・はちみつ
- 火過多(ほてり)→苦瓜・緑豆・菊花茶
- 毎日の食卓に“少量ずつ”取り入れる
- 朝の白湯に黒ごま小さじ1
- いつもの味噌汁に生姜ひとかけ
ポイントは“劇的な変化”ではなく“微調整”。
五行はシーソーのように連動しているため、1食材を少量でも続けることが体質リセットへの近道です。
日々の食事が解決の糸口
「薬膳」と聞くと、「薬臭そう」「難しそう」「高そう」などのイメージがあるかもしれません。
でも、実際はとってもシンプル。
たとえばこんな感じです:
不調のサイン | 体質(東洋医学) | 薬膳的アプローチ |
---|---|---|
手足が冷える | 陽虚(ようきょ) | しょうが、シナモン、ねぎ、ラム肉で体を温める |
疲れやすい・顔色が悪い | 血虚(けっきょ) | 黒豆、レバー、なつめ、ほうれん草で血を補う |
胃もたれ・むくみ | 湿(しつ) | はと麦、冬瓜、とうもろこしで“余分な水”を排出 |
スーパーにあるような食材ばかりですよね。
身体の状態にあった適切な食事を摂取するだけで健康に近づいていくなんて素敵だと思いませんか。
薬膳は“体質に合った食べ方”を教えてくれる地図
薬膳の基本は、「体質を知ること」→「今の自分に合った食材を選ぶこと」。
たとえばあなたが「冷えやすい」「疲れやすい」なら、
それは“陽気(体を温める力)”や“血”が足りていないサイン。
そんなとき、たんぱく質や鉄分だけではなく、
**「温める力のある野菜」や「巡りを助けるスープ」**を合わせることで、効果がぐっと高まるのです。
臨床検査技師の経験は薬膳で活きる
”体質を知る”こと、いちばんの近道は血液データです。
腕の良い医師や熟練の薬剤師は、患者さんの様子から適切な診断をして、その人にあった漢方や薬膳を処方してくれます。
しかし、腕のいい医療関係者に出会うことはかなり難しい。業界にいた自分もこの人は腕がいいと断言できる方に出会ったことはありません。
しかし、数値を読むことは凡人でもできます。これほどわかりやすく、正しいものはありません。むしろ、数値で裏づけが取れると、薬膳の説得力もぐっと増します。
最後に
薬膳は誰もが手軽に始められる”健康への自己投資”です。
✔ 白湯を朝一杯飲む(体内の巡りスイッチをON)
✔ 夜ごはんに「黒豆」や「にんじん」を加える(血と気を補う)
✔ カフェの代わりに「なつめ茶」や「はと麦茶」を選ぶ(むくみ&肌荒れケア)
どれも“すぐできる”“おいしい”“高くない”。
自分の体は、乗り換えの効かないたった一つの乗り物です。
習慣を少し変えて、より良い日々を一緒に過ごしていきませんか。