食材と体調

「なんとなく不調」は体質のサイン?検査技師が教える “薬膳はじめの一歩”

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朝の目覚めは重く、午後になると集中力は3分。
エアコンの部屋では足先が氷のように冷え――でも検査は異常なし。
この“なんとなく不調”こそ、体質バランスが崩れ始めた未病サインかもしれません。

体質と不調をつなぐ五行バランス

病院では「異常なし」と言われる不調の多くは、
五行(木・火・土・金・水)のバランスが崩れて起こると東洋医学は考えます。

五行弱ると出やすい症状代表食材(補う/巡らす)
木(肝)イライラ・肩こりしそ・セロリ
火(心)ほてり・動悸緑豆・菊花
土(脾)胃もたれ・疲労感さつまいも・なつめ
金(肺)乾燥・咳梨・はちみつ
水(腎)冷え・むくみ黒豆・昆布

体質リセット3ステップ

STEP① 足りないものを補う

  • 木不足 → 香り野菜で“気”を伸ばす
  • 水不足 → 黒い食材で温め・潤す

STEP② 滞りを巡らせる

  • 金滞り(胸の重さ)→ 梨+白きくらげ
  • 火過多(ほてり) → 苦瓜+緑豆

STEP③ 毎日“少量ずつ”続ける

  • 朝白湯+黒ごま小さじ1
  • 味噌汁に千切り生姜をひとかけ

ポイント:劇的変化より微調整。 五行はシーソーのように連動するため、1品でも続けることが近道です。

スーパーにある!はじめての薬膳マッチング

不調サイン体質タイプ手軽な食材
手足が冷える陽虚しょうが・鶏もも肉
顔色が悪い血虚レバー・ほうれん草
胃もたれ湿はとむぎ・冬瓜

薬膳は“体質に合った食べ方”を教えてくれる地図

薬膳の基本は、「体質を知ること」→「今の自分に合った食材を選ぶこと」

たとえばあなたが「冷えやすい」「疲れやすい」なら、
それは“陽気(体を温める力)”や“血”が足りていないサイン。

そんなとき、たんぱく質や鉄分だけではなく、
**「温める力のある野菜」や「巡りを助けるスープ」**を合わせることで、効果がぐっと高まるのです。

臨床検査技師の経験は薬膳で活きる

”体質を知る”こと、いちばんの近道は血液データです。

腕の良い医師や熟練の薬剤師は、患者さんの様子から適切な診断をして、その人にあった漢方や薬膳を処方してくれます。
しかし、腕のいい医療関係者に出会うことはかなり難しい。業界にいた自分もこの人は腕がいいと断言できる方に出会ったことはありません。

しかし、数値を読むことは凡人でもできます。これほどわかりやすく、正しいものはありません。むしろ、数値で裏づけが取れると、薬膳の説得力もぐっと増します。

毎日の薬膳で、体にやさしい自己投資を

薬膳は誰もが手軽に始められる”健康への自己投資”です。

✔ 白湯を朝一杯飲む(体内の巡りスイッチをON)
✔ 夜ごはんに「黒豆」や「にんじん」を加える(血と気を補う)
✔ カフェの代わりに「なつめ茶」や「はと麦茶」を選ぶ(むくみ&肌荒れケア)

どれも“すぐできる”“おいしい”“高くない”。

自分の体は、乗り換えの効かないたった一つの乗り物です。
習慣を少し変えて、より良い日々を一緒に過ごしていきませんか。

ABOUT ME
検査技師の薬膳マイスター ともか
検査技師の薬膳マイスター ともか
臨床検査技師・薬膳マイスター
臨床検査技師としての経験を活かし、体のデータや体質から不調の原因を読み解き、日常に取り入れやすい薬膳や漢方の知識をお届けしています。 忙しい女性や体調に悩む方に、「おうちでできるやさしい養生」のヒントを発信中。
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