夜泣きって病気なの? ― データから見る現実
赤ちゃんの「夜泣き」は、多くの家庭で経験する育児の悩みの一つ。
実際、『ルナルナBabyの調査』によれば
👉 夜泣きを経験したママは約85%
👉 平均的な開始時期は生後6ヶ月ごろ
👉 落ち着くのは生後13ヶ月前後が多く、約半年〜1年ほど続くと報告されています。
また、『福岡市の乳児健診調査』では、
生後4ヶ月の赤ちゃんの57.2%が夜間(0〜6時)に1回以上覚醒しているというデータも。
つまり、夜泣きは**誰にでも起こりうる「自然な発達の一環」**なのです。
赤ちゃんの夜泣きと「気・血・陰」
東洋医学では、赤ちゃんの夜泣きは以下のように解釈されます:
- 「気」不足 → エネルギーが足りず不安定な眠りに
- 「陰」不足 → 潤いが足りず、熱や興奮がこもりやすい
- 「肝」の高ぶり → 感情の起伏が激しくなりやすい(特に日中の刺激が多いと夜に出やすい)
この「未熟なからだ」を穏やかに整えるために、薬膳が活躍します。
赤ちゃんの夜泣きにおすすめの薬膳食材3選
ここでは、赤ちゃんにも取り入れやすく、効果が期待できる薬膳食材を紹介します。
🖤 黒ごま ― 成長と眠りをサポートする“腎”の味方
- 「腎」を補い、骨や脳、睡眠の発育を助ける
- 不安定な夜のリズムを整えるのに◎
✅ おすすめの使い方:
- すりごまにしておかゆやバナナペーストにひとさじ加える
- 香ばしい香りが赤ちゃんの食欲を刺激
❤️ なつめ ― 胃腸を整え、心も落ち着ける
- 「脾」(消化)と「心」(精神)を同時に補う万能フルーツ
- 情緒の安定、甘みで安心感も
✅ おすすめの使い方:
- 柔らかく煮て裏ごしし、おかゆや野菜ペーストに少量加える
- ほんのり甘みで赤ちゃんも◎
🤍 百合根 ― 興奮・緊張を鎮めるやさしい食材
- 「肺」と「心」を潤し、気持ちを穏やかに
- 神経過敏や寝つきの悪さにおすすめ
✅ おすすめの使い方:
- よく茹でてやわらかくし、マッシュ状に
- じゃがいも代わりに使え、自然な甘みが◎
赤ちゃんに薬膳を使うときの注意点
どんなに体に良い食材でも、赤ちゃんに使うときは安全第一です。
食材 | 使える時期(目安) | 注意点 |
---|
黒ごま | 生後9〜11ヶ月(後期)〜 | ・必ずすりごまにする (丸ごまNG) ・アレルギーに注意。 最初はごく少量から |
なつめ | 生後7〜8ヶ月(中期)〜 | ・皮・種を必ず除く ・甘みが強いので香り付け程度に |
百合根 | 生後7〜8ヶ月(中期)〜 | ・繊維が多いため裏ごし推奨 ・少量ずつ。冷凍保存も可能 |
📝 共通ルール:
- 初めての食材は1日1種類・1さじから
- 平日の午前中に試して、体調変化があればすぐ対応できるようにする
簡単にできる薬膳離乳食アレンジ例
🖤 黒ごまバナナ粥(離乳後期〜完了期)
対象月齢:生後9ヶ月頃〜
材料(1食分)
- バナナ … 1/4本(熟して柔らかいもの)
- すりごま(黒)… 小さじ1/4(0.5g程度)
- 7倍がゆ … 大さじ2(約30g)
作り方
- バナナはフォークなどでよくつぶす(ペースト状)
- おかゆにすりごまとバナナを加えて、混ぜるだけ
- 食べやすくするため、レンジで10秒ほど温めてもOK
ポイント
- ごまは必ずすりごまを使用。丸ごまは消化できません
- アレルギー確認のため、初回はすりごま少量からスタート
❤️ なつめ風味のおかゆ(離乳中期〜後期)
対象月齢:生後7ヶ月頃〜
材料(1食分)
- なつめ(乾燥)… 1粒
- 水 … 100ml
- 5倍がゆ … 大さじ2〜3(赤ちゃんの月齢に応じて)
作り方
- なつめは種を取り除き、水で戻して柔らかくする(目安20分)
- 小鍋でなつめと水を一緒に煮て、なつめだしを作る(弱火で5〜7分)
- なつめは取り出し、煮汁でおかゆを炊く or 温め直す
- 香りと自然な甘みがほんのりつく程度に
ポイント
- 皮と種は必ず除くこと!(誤飲や消化不良の原因に)
- 煮汁だけを使えば離乳初期からも応用可能
🤍 百合根とさつまいものマッシュ(離乳中期〜完了期)
対象月齢:生後7ヶ月頃〜
材料(1食分)
- 百合根 … 10g(2〜3枚)
- さつまいも … 20g(皮をむいて輪切り)
作り方
- 百合根は1枚ずつはがし、よく水洗いする
- さつまいもと百合根をやわらかくなるまで蒸す(または茹でる)
- フォークまたは裏ごしでしっかり潰す
- 必要に応じて少量の湯冷ましでのばす
ポイント
- 自然な甘みで赤ちゃんも食べやすい
- 裏ごしして滑らかにすれば中期でもOK
- 冷凍保存も可能(製氷皿などで1回分ずつ)
→ 保存期間は冷凍で約1週間目安
🌙 まとめ|夜泣きは成長の証。焦らず「ゆるやかに整える」
赤ちゃんの夜泣きは、脳と心、体が育っているサイン。
薬膳の知恵を少しずつ取り入れることで、体の内側から「整える力」を育てていくことができます。
「治す」より「整える」。
赤ちゃんのペースを尊重しながら、できることを少しずつ。
おうちのキッチンでできる“やさしいケア”を、今日から始めてみませんか?
ABOUT ME

臨床検査技師としての経験を活かし、体のデータや体質から不調の原因を読み解き、日常に取り入れやすい薬膳や漢方の知識をお届けしています。
忙しい女性や体調に悩む方に、「おうちでできるやさしい養生」のヒントを発信中。