季節の薬膳

「ほんまでっかTV」で話題!さつまいもは焼くより揚げるべき?血糖値・カロリー・薬膳効果を徹底解説

kensa-yakuzen

9月17日に放送された「ほんまでっかTV」でさつまいも。
食べた後の血糖値の上昇が遅いのでダイエットに向いているとされていますが、実は調理法によってはその良さが失われてしまうため、焼くよりは揚げた方が太りにくいという科学的な根拠とさつまいもの薬膳効能を説明いたします。

さつまいもは焼くより揚げた方が太りにくい?科学でわかる理由

さつまいもを食べるとき、「焼き芋がヘルシー」と思っていませんか?実は、さつまいもは揚げる方が血糖値の上昇がゆるやかになり、太りにくい場合があるのです。

ポイントは「油のコーティング」と「消化速度」です。揚げることでさつまいものでんぷんは油で包まれます。すると、胃や腸で消化酵素がでんぷんに届きにくくなり、糖として吸収されるスピードが遅くなります。
つまり、血糖値の急上昇(スパイク)が抑えられるため、インスリンが大量に分泌されることを防げます。インスリンの急増は脂肪合成を促すため、これを抑えることができれば、太りにくくなる理屈です。(参照「GI値って何?食後血糖を味方につける食事のヒント」)

さらに、揚げることで食物中の糖質が体にゆっくり吸収されるため、満腹感も持続しやすくなります。血糖値がゆるやかに上がると、食後のドカ食いを防ぐことも可能です。ダイエット中でも「油=太る」という固定概念だけで避けるのではなく、調理法によって血糖値や脂肪蓄積のリスクが変わることを理解することが大切です。

結論として、さつまいもを太りにくく食べるなら、血糖値の観点からは揚げるのが理にかなっています。

焼き芋と揚げ芋のカロリー比較 ― 太らないのはどっち?

前章で、さつまいもは揚げると血糖値が緩やかになることを説明しました。しかし、ダイエットや健康を考えるならカロリーの面も見逃せません。

調理法カロリー
(100gあたり)
脂質コメント
焼き芋約130kcal0.2gほぼ脂質なし。甘みが増し満足感も◎
揚げ芋約220〜250kcal10〜12g油を吸収するためカロリー高め。血糖値は緩やかに上昇

※カロリーは目安。油の種類や量、揚げ時間で変動します。

カロリー的に見るとどちらが優れている?

表を見れば一目瞭然です。焼き芋は揚げ芋に比べて約1.5〜2倍カロリーが低く、脂質もほぼゼロ。つまり、太りにくさで比較すると、カロリー面では断然焼き芋が優秀です。

揚げ芋は血糖値を緩やかにするメリットがありますが、カロリー増で消費カロリーを超えると体脂肪として蓄積されるリスクがあります。ダイエットやカロリー管理を意識するなら、焼き芋がおすすめです。

さつまいもの薬膳効能― 美容・健康に嬉しいパワー

1️⃣ 体を温める作用(冷え性改善に)

  • さつまいもは体を温める性質があり、冷えやすい女性や冬場にぴったり。
  • 冷えからくる手足のだるさや、血行不良による肌荒れの改善にも役立ちます。

2️⃣ 胃腸をサポート(消化吸収の助け)

  • 薬膳では「脾」を補う食材として分類されます。
  • 胃腸の働きを整え、消化吸収を助けるため、便秘や食欲不振の改善に効果的です。
  • 食物繊維が豊富なので、腸内環境の改善にもつながります。

3️⃣ 血糖値の安定サポート

  • さつまいものでんぷんは、ゆっくり消化される「複合炭水化物」です。
  • 血糖値の急上昇を抑える働きがあるため、ダイエットや生活習慣病予防にも向いています。

4️⃣ 美容・抗酸化作用

  • 皮にはポリフェノールやカロテンが含まれ、抗酸化作用があります。
  • 老化の原因となる活性酸素を抑え、肌の健康やアンチエイジングに役立ちます。
  • 皮ごと食べると効能がよりアップします。

5️⃣ 免疫力を高める

  • ビタミンCやビタミンEも含み、免疫力サポートに貢献。
  • 風邪予防や疲労回復にもおすすめです。

薬膳的に太りにくくさつまいもを食べるコツ

さつまいもは美味しくてヘルシーですが、食べ方次第で太りやすさが変わります。薬膳の視点を取り入れると、血糖値や消化吸収のバランスを整えながら、満足感を得ることが可能です。

1️⃣ 焼き芋は「皮ごと」が基本

  • 皮にはポリフェノールや食物繊維が豊富。15℃程度(5℃以下は逆に腐るので注意)で1ヶ月寝かせると、ポリフェノールが増えます。
  • 食物繊維は血糖値の急上昇を抑え、腸内環境も整えてくれるため、太りにくくなります。
  • 皮ごと蒸したり焼いたりすると、甘みが増して砂糖なしでも満足感アップ。

2️⃣ 揚げるなら「ノンフライヤー」で少量の油

  • 脂質を極力抑えつつ、外はカリッ、中はホクホクに仕上げられる。
  • 表面がカリッとすることで満腹感が長持ちし、食べすぎ防止にも効果的。
  • 少量のオリーブオイルやココナッツオイルを軽く絡めると、血糖値上昇をさらに緩やかにできます。

3️⃣ 食べる時間帯を意識

  • 朝や昼に食べるのがおすすめ。活動している時間帯に糖質を摂ると消費されやすく、脂肪として蓄積されにくいです。
  • 夜に食べる場合は、量を控えめにして、サラダやスープと組み合わせると太りにくくなります。

4️⃣ 薬膳的な組み合わせでさらに効果アップ

  • シナモンや黒ごま:血糖値上昇を抑え、代謝をサポート。
  • きな粉やナッツ:良質な脂質とたんぱく質で満腹感を持続。
  • ショウガや唐辛子少量:体を温め、代謝を促進。

5️⃣ 適量を意識する

  • 1食あたり100〜150gを目安に。
  • 食物繊維と満腹感を活かして、間食としては1本までに抑えると太りにくくなります。

さつまいもは焼くよりも調理法と食べ方で太りにくく楽しめる!

9月17日放送の「ほんまでっかTV」でも紹介されたように、さつまいもは食後の血糖値上昇が緩やかでダイエット向きの食材です。しかし、調理法や食べ方によってその良さを活かすかどうかが決まります。

  • 揚げると血糖値の上昇が緩やかになり太りにくい科学的根拠がありますが、油を吸収するためカロリーは増加。
  • 焼き芋はカロリーが低く脂質もほぼゼロ。ダイエットやカロリー管理を意識するなら、焼き芋がおすすめです。

さらに薬膳的な視点を取り入れると、体を温め、胃腸の働きを助け、血糖値を安定させ、美容や免疫力にも嬉しい効果があります。

太りにくく食べるためのコツ

  1. 焼き芋は皮ごと食べる → 食物繊維と抗酸化成分で血糖値を緩やかに
  2. 揚げるならノンフライヤーで少量の油 → 満腹感が持続し、血糖値上昇もゆるやか
  3. 食べる時間帯を意識 → 朝・昼がベスト
  4. 薬膳食材と組み合わせる → シナモン・黒ごま・きな粉・ナッツ・ショウガなど
  5. 適量を守る → 1食100〜150g、間食は1本まで

💡 結論
血糖値の上昇や薬膳効果を活かすなら揚げ方もあり、カロリー面を重視するなら焼き芋が最適。食べ方や組み合わせを工夫することで、美味しく・太りにくく・体に嬉しいさつまいもライフを楽しめます。

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検査技師の薬膳マイスター ともか
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臨床検査技師・薬膳マイスター
臨床検査技師としての経験を活かし、体のデータや体質から不調の原因を読み解き、日常に取り入れやすい薬膳や漢方の知識をお届けしています。 忙しい女性や体調に悩む方に、「おうちでできるやさしい養生」のヒントを発信中。
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