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🍢ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』に見る“癒しの薬膳ごはん”Part2

kensa-yakuzen

ドラマを見て気づいた、「劇中のご飯、薬膳的にすごい」

TBSドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
原作漫画からのファンだった私は、ドラマ化のニュースを聞いて放送を心待ちにしていました。毎週火曜22時がちょっとした「癒し時間」になっています。

第三話で登場した「おでん」。こだわりの詰まったおでんの光景に、思わずこう感じました。

「あれ?このおでん、薬膳的にも理にかなっているのでは?」

今回は、ドラマに登場した“おでん”を題材に、
薬膳と臨床検査技師の視点から“体の内側から整う理由”を解剖していきます。

🍢おでんは“体を温めて巡りを良くする”薬膳

おでんといえば、日本の冬の定番。
でも薬膳的に見ても、寒い季節の体にぴったりな「温性の料理」です。

具材には、大根・こんにゃく・卵・厚揚げ・練り物・昆布などが並びますが、
それぞれにしっかりとした薬膳的効能があるんです。

食材性質主な効能
大根平性胃腸を整え、消化を助ける・のぼせを鎮める
こんにゃく涼性老廃物の排出を助け、腸内をきれいにする
平性血を補い、肌と髪を潤す
厚揚げ・豆腐平性胃の働きを整え、エネルギー補給
練り物(さつま揚げ等)温性体を温め、血行を促進
昆布寒性余分な熱を取り、代謝をサポート
生姜・からし熱性体を芯から温め、冷えを防ぐ

つまり、おでんは「冷え・疲労・むくみ・胃腸の不調」に効果的な冬の薬膳料理。
出汁の温かさと、根菜や大豆たんぱくの優しい滋養が合わさることで、
**“体の芯から温まる整え食”**になるのです。

🔥薬膳+検査の両面で見る「おでんのチカラ」

薬膳では「気・血・水の巡りを整える」ことが基本。
臨床検査技師の視点で見ると、それは「代謝・血流・炎症バランスを整える」ことに通じます。

おでんのように温性の具材と発酵出汁(昆布・鰹・醤油)を合わせた料理は、
検査数値にも良い影響を与えることがあります。

検査項目期待される変化理由
LDLコレステロール低下傾向食物繊維(大根・こんにゃく)が脂質吸収を抑制
中性脂肪安定傾向低脂質+高たんぱく構成(豆腐・卵)
CRP(炎症反応)改善傾向出汁や昆布のミネラル・抗酸化作用
HbA1c(血糖)安定根菜のゆるやかな糖吸収+食物繊維効果
AST・ALT(肝機能)改善傾向生姜やからしの代謝促進・解毒サポート

つまり、薬膳的に見ても検査的に見ても、
おでんは“温め+巡り+整える”をすべて満たす理想的な冬ごはんなのです。

🍲家庭でできる“薬膳おでん”の作り方

おでんはどの家庭でも作れる身近な料理。
少しの工夫で「薬膳仕様」に近づけることができます。

🌿ポイント①:出汁に“温性”をプラス

昆布と鰹の出汁に、生姜の薄切りや長ネギの青い部分を加えることで、
体を内側から温める力がアップ。

🌿ポイント②:具材のバランスを整える

根菜・大豆製品・たまごを中心に、“温める”+“整える”構成を意識。
こんにゃくや大根は“巡りを良くする”サポート役。

🌿ポイント③:締めには薬膳スープ風に

残った出汁にご飯と溶き卵を加えて雑炊風にすると、
ミネラル・たんぱく質・温性がそろった“夜の整え食”になります。

🥢材料(2〜3人分)

材料分量薬膳的効能
おでんの残り汁400ml出汁成分が「腎」と「脾」を補う
大根・こんにゃく・卵などの残り具材適量体内の“水”の巡りを整える
生姜(すりおろし or 千切り)小さじ1体を温め、冷えを改善
白ネギ(小口切り)1/2本気血の巡りを促進、発汗作用
クコの実小さじ1(約10粒)血を補い、目・肌・髪に潤いを
しいたけ(乾燥または生)1〜2枚免疫力UP・コレステロール改善
ごま油小さじ1胃腸を潤し、風味づけ
黒こしょう少々代謝を刺激し、体を温める

🔥作り方ステップ

1️⃣ おでんの出汁を温める
 鍋に残り汁を入れ、中火で加熱。アクがあれば取り除く。

2️⃣ 具材と薬膳食材を追加
 大根・こんにゃく・卵などの残り具材、生姜・ネギ・しいたけ・クコの実を加える。

3️⃣ 10分ほど弱火で煮込む
 香りが立ち、クコの実がふっくらしてきたらOK。

4️⃣ 仕上げにごま油と黒こしょうをひとまわし
 香りと温性アップ。お好みで少し味噌を溶かすと、より深みのある薬膳スープに。

🧠臨床検査技師が見る「おでんの癒し効果」

おでんのように具材を煮込む料理は、
食物繊維が柔らかくなり、消化吸収が良くなるのが特徴です。
血糖変動を緩やかにし、夜間の空腹ストレスを抑える働きもあります。

加えて、温かい食事は副交感神経を刺激し、ストレスホルモンを下げることが知られています。
つまり、“おでんをゆっくり食べる”という行為そのものが、
自律神経を整える“食べる瞑想”のような効果を持つのです。

🌙まとめ:冬の食卓に、“火曜22時の癒し”を

「おでん」は、ただの家庭料理ではありません。
体を温め、血を巡らせ、心を落ち着ける“薬膳の完成形”のひとつです。

TBSドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(毎週火曜22時放送)は、
料理を通して“人と人の距離が縮まる”瞬間を描いています。
そのおでんの湯気の向こうに、薬膳の思想とも通じる「癒しの循環」が見えるのです。

薬膳の世界では、“作ることも癒し”と考えます。
鍋を火にかけ、出汁の香りを感じ、誰かのために具材を煮込む時間。
それが、気(エネルギー)を整える最高の養生法。

ドラマを観ながら、おでんを囲みながら。
火曜22時の“あのぬくもり”を、あなたの食卓にも。

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検査技師の薬膳マイスター ともか
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臨床検査技師・薬膳マイスター
臨床検査技師としての経験を活かし、体のデータや体質から不調の原因を読み解き、日常に取り入れやすい薬膳や漢方の知識をお届けしています。 忙しい女性や体調に悩む方に、「おうちでできるやさしい養生」のヒントを発信中。
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