食材と体調

深海魚ソコボウズがもたらす“血と巡りを整える薬膳力”

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秋から冬へと移ろう季節の中で、「なんだかいつも同じ魚料理では飽きてきた…」と感じたことはありませんか。
そんな時にこそおすすめしたいのが、深海魚を食べることです。
テレビ番組 ザ!鉄腕!DASH!! の漁獲企画で話題になった“幻の魚” ソコボウズには、薬膳的な効能と、臨床検査技師として注目したい“数値が変わる可能性”が詰まっています。

今回は、あなたの“体の内側”にも効く“深海の薬膳メニュー”として、ソコボウズの魅力を余すところなく解説します。

テレビ放映で注目された“深海の魚”

番組では、静岡・駿河湾の水深2,500mから引き揚げられたソコボウズが登場しました。
その希少性と存在感は“珍しい魚”という域を超え、
「深海魚=栄養の宝庫」としての関心を集めました。

名前の由来は、丸い頭部と海底にじっと棲む姿から「底坊主」。
まさに、深海の静寂を象徴するような魚です。

一般流通はほとんどなく、家庭で食べることは難しいですが、
静岡県の深海魚料理専門店などで運よく出会えた方は幸運
それほどまでに希少な魚です。

深海魚ソコボウズの栄養価と“薬膳読み”

深海魚(メヌケ・アブラボウズ・ソコボウズ・キンメダイなど)は、
水深300〜2000m以上の暗く、冷たく、圧力の高い環境に適応して生きています。
そのため、一般的な魚よりも脂質や抗酸化成分を多く含み、栄養密度が高いのが特徴です。

💪 栄養面での注目ポイント

  • DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)
     血液をサラサラに保ち、脂質代謝を促進。
  • ビタミンA・E、セレン・亜鉛
     抗酸化作用が強く、細胞の酸化や老化を防ぐ。
  • コラーゲン様タンパク・ミネラル類
     肌・髪・骨を支え、季節の変わり目の不調に◎。

薬膳理論からの捉え方

薬膳では、食材の性質を「五性・五味・帰経」で分類します。
ソコボウズを読み解くと──

分類内容
五性(性質)温性:体を温め、血行を促す。
五味(味)甘・鹹(かん):滋養し、潤いを補う。
帰経(臓器)腎・肝・脾:代謝、血、生命エネルギーに関与。

つまりソコボウズは、冷えや血の滞り、潤い不足を整える魚
特に30〜40代女性が感じやすい「冷え」「疲労」「肌の乾燥」に対して、
内側から巡りを整える“温め食材”です。

検査技師が見る“数値で変わる魚”

薬膳の効能だけでなく、臨床検査技師の視点で見ても、
深海魚の栄養成分は血液データに良い影響を与える可能性があります。

検査項目期待される変化主な理由
LDLコレステロール・中性脂肪低下傾向DHA・EPAが脂質代謝を促進。
HDLコレステロール上昇傾向良質脂質の摂取が逆脂質作用を促す。
CRP(炎症マーカー)・MDA(酸化指標)低下傾向抗酸化成分が炎症を抑制。
HbA1c・空腹時血糖安定化高タンパク・低糖質で血糖変動を緩やかに。
AST・ALT(肝機能)改善傾向脂質酸化が抑制され肝細胞への負担軽減。

食べることで「腸→血液→肌」と整っていく、
まさに循環を生み出す魚といえます。

家庭でも取り入れられる“深海魚”

ソコボウズのような深海魚は希少で手に入りにくいですが、
うれしいことに、スーパーでも入手できる魚で似た効果を得ることが可能です。

魚の種類特徴主な効能おすすめ調理法
キンメダイ深海魚の代表格。上品な脂と高DHA。血流改善・肌の潤い・冷え対策煮付け・生姜・味噌仕立て
メヌケ(赤魚)脂質が多く温性。LDL低下・代謝促進・むくみ改善鍋・酒蒸し
銀ダラ深海性・高脂質でビタミンA豊富。肝機能サポート・肌再生照り焼き・味噌漬け
アブラカレイDHA・EPA・コラーゲン豊富。血管年齢若返り・関節ケア焼き物・煮物
マダラ(真鱈)中深層域で似た栄養構成。高タンパク低脂肪で代謝UP鍋・スープ

これらの魚はいずれも水深200〜800mほどの中深層域に棲み、
寒冷環境に適応するために不飽和脂肪酸(DHA・EPA)を豊富に蓄えるのが特徴です。

薬膳的には「温性〜平性」に属し、
腎・肝・脾を補い、血と巡りを整える働きがあるため、
ソコボウズと近い体質改善効果が期待できます。

臨床的にも、週2〜3回これらの魚を食べることで、
LDL・中性脂肪の低下、CRP値の改善、肌の血流改善といった変化が期待できます。

これらの魚はいずれも水深200m〜800m程度の“中深層域”に棲む魚で、
体温を保つためにDHA・EPAなどの不飽和脂肪酸を多く含んでいます。

薬膳的には「温性〜平性」に分類され、
腎・肝・脾を補い、血の巡りを整える働きがあるため、
ソコボウズと近い体質改善効果が期待できます。

臨床的に見ても、
週2〜3回これらの魚を摂取することで、
LDLコレステロールの低下・中性脂肪の安定・CRP値の軽減といった改善が見られるケースがあります。

家庭でできる“薬膳調理のコツ”

スーパーで手に入る魚でも、
少しの工夫で“深海の薬膳効果”を再現することができます。

調理法薬膳ポイント数値改善のポイント
煮付け(生姜・白ネギ・白味噌)体を温め、腎・肝を補う抗酸化+温性で脂質・血流改善
鍋(根菜・豆腐・味噌ベース)巡りを良くし、冷えを防ぐ高タンパク+食物繊維で血糖安定
焼き物(塩焼き+大根おろし)余分な脂を落とす消化促進・脂質酸化の軽減に◎

💡ポイント

  • 調理時は「生姜・にんにく・ネギ」で温性を高める。
  • スープや煮汁にも栄養が溶け出すので、残さずいただく。
  • 鮮度と加熱時間を意識して、脂質の酸化を防ぐ。

まとめ:深海の栄養を日常の食卓へ

ソコボウズのような“幻の魚”は出会えたら奇跡。
けれど、その栄養効果は身近な魚でも再現できます。

深海魚のDHA・EPA、抗酸化ビタミン、薬膳的な温め作用は、
血と巡りを整え、肌や心のバランスを優しく支えてくれるもの。

海の底で生きる魚たちが蓄えた“生命のエネルギー”を、
あなたの食卓に。

この冬は、“深海の薬膳力”で、
体の内側から温まりながら、美と健康を整えてみませんか。

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検査技師の薬膳マイスター ともか
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臨床検査技師・薬膳マイスター
臨床検査技師としての経験を活かし、体のデータや体質から不調の原因を読み解き、日常に取り入れやすい薬膳や漢方の知識をお届けしています。 忙しい女性や体調に悩む方に、「おうちでできるやさしい養生」のヒントを発信中。
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