「冷え?熱中症?夏バテ?―30代・40代女性のための“夏の不調”ケア」

✅疲れやすい夏…その不調、じつは“冷え”が原因かも
最近、こんなことはありませんか?
- 日中は元気なのに、夕方になるとどっと疲れが出る
- クーラーの効いた部屋にいるのに、なぜか頭が重い・足先が冷える
- 冷たい飲み物をよく飲むせいか、胃腸の調子がイマイチ…
こうした不調は、夏特有の「冷え」と「熱」が体の中で同時に進行しているサインかもしれません。
東洋医学では、夏の疲れは“外からの暑さ”と“内側の冷え”が交差することで起こると考えます。
この記事では、30〜40代の女性に多く見られる「夏の疲労タイプ」を薬膳の視点から解説し、それぞれに合ったやさしいケア方法をご紹介します。
🟠 なぜ夏に疲れる? ― 東洋医学で見る「夏の体」
東洋医学では、夏は「心」と「脾(胃腸)」に負担がかかりやすい季節とされています。
たとえば、冷房の効いたオフィスで一日過ごした後、帰宅時にどっと疲れが出たり、冷たいものをとりすぎてお腹の調子が悪くなった経験はありませんか?
冷たい飲み物や冷房の影響で、体を温めるはたらき=「陽気(ようき)」が弱まり、体内に“冷えた湿気”がたまりやすくなります。これが、いわゆる「内側から冷える」状態です。
一方で、炎天下では大量の汗をかくことで「気(エネルギー)」と「津液(水分)」が消耗され、今度は熱中症のような症状につながってしまいます。
つまり、夏の体は「冷え」と「乾き(熱)」が同時に進む、バランスの崩れやすい状態なのです。
🟠 あなたの“夏疲れタイプ”はどれ
あなたの体調は、どのタイプに当てはまりますか?
以下の表から、自分の傾向を探してみましょう。
タイプ | 主な症状 |
---|---|
❄️ 冷えだるタイプ(脾陽虚) | □冷房がつらい □手足が冷える □むくみやすい □胃腸が弱い |
🔥 熱だるタイプ(気陰両虚) | □暑さに弱い □汗をかきやすい □喉が渇く □動悸・イライラ |
☯️ 冷え+熱タイプ(陰陽バランス崩れ) | □クーラーにあたりながら汗をかく □1日中だるい □頭が重い |
※タイプ別の詳細はタイプのリンクからご確認ください。
💡 タイプごとに必要なケアは異なります。
このあとご紹介する薬膳レシピや生活習慣の中から、自分の体質に合ったケアを取り入れてみてください。
🟠 日常でできる“薬膳的”なセルフケア
薬膳は、特別な漢方や食材だけでなく、毎日のちょっとした習慣の中にも取り入れることができます。
体の巡りを整える“やさしい薬膳習慣”で、夏を快適に過ごしましょう。
☕ 毎朝の1杯で、内側から温める
おすすめのタイミング:起床後すぐ/朝食前
白湯にスライスしたしょうがや、なつめを1粒加えるだけで、胃腸をやさしく目覚めさせる養生茶に。
朝の冷えやだるさに効果的です。
🧦 足元は、意外と冷えている
おすすめのタイミング:冷房の効いた室内で過ごす日中〜夕方
クーラーの効いたオフィスや電車では、足元が冷えがち。
サンダルでもレッグウォーマーや靴下を上手に取り入れて、冷えから守りましょう。
🌬 エアコンの風は「首」と「お腹」に注意
おすすめのタイミング:仕事中・リラックスタイム・睡眠時
直接風が当たると、「気(エネルギー)」の巡りが滞って不調の原因に。
ストールや薄手のカーディガンで、首・お腹を守るのがおすすめです。
🛁 入浴は“汗をかかない”温め方で
おすすめのタイミング:就寝の1〜2時間前
熱いお湯はかえって気を消耗します。
38〜40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かって、じんわり温まるのが薬膳的な入浴法です。
🔁 食だけでなく、「気・血・水」を整える生活習慣を取り入れることが、薬膳の基本です。
あなたに合った“ちょうどいい整え方”を見つけてみてください。
✅体調を崩しがちな夏、少しだけ“温める意識”を
外は暑くても、内側が冷えている。
夏はそんなアンバランスを抱えやすい季節です。
冷たい飲み物、クーラー、汗による消耗…。
ちょっとした習慣の積み重ねで、心も体もじわじわと疲れていきます。
でも大丈夫。
食べ方・飲み方・過ごし方を少し整えるだけで、体はちゃんと応えてくれます。
自分の体質と“いまのバランス”を知って、
それに合ったやさしいケアを取り入れてみましょう。
薬膳は、そんな日々の「ちょっとした調整」を支えてくれる暮らしの知恵です。